第98回研究会のお知らせ

開催日時

2017年10月28日(土) 13:30~16:00 (13:00開場

開催場所

お茶の水女子大学 文教育学部1号館1階 第1会議室

プログラム、要旨

◆ プログラム

1 13:30-14:10
唐姣姣

「ライティング訂正フィードバックの効果の検証  -直接CFと「直接+メタ言語」CFとの比較-」

―20分休憩―
【講演会】 14:30-16:00
講師 小柳かおる先生(上智大学)
L2習のメカニズムと個人差要因の相互作用

 

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■発表(13:30~14:10)

 

「ライティング訂正フィードバックの効果の検証  -直接CFと「直接+メタ言語」CFとの比較-」

唐姣姣 お茶の水女子大学大学院 大学院生

【要旨】

第2言語習得において、ライティング訂正フィードバック(WCF)の効果に多くの研究者の関心が寄せられている。しかし、英語を対象言語とした研究が多く、日本語を対象言語とした研究はまだ僅少である。さらに、直接CFと「直接+メタ言語」CFとの効果を比較した先行研究の結果が一致していない。そのため、本研究は、日本語を対象言語とし、直接CFと「直接+メタ言語」CFという2つのタイプのWCFの効果を比較することを目的とする。本研究は日本語学校に在籍している中級学習者を対象者とし、学習者を直接CFを与えるグループ、「直接+メタ言語」CFを与えるグループ、内容や構成についてコメントを与える統制群に分け、事前テスト・直後テスト・遅延テストを行った。本発表では、直接CFと「直接+メタ言語」CFとの効果を比較した結果を報告し、日本語作文指導において、どのように訂正すれば良いのかについて検討する

 

◆講演会(14:30-16:00

L2習のメカニズムと個人差要因の相互作用

講師 小柳かおる先生(上智大学)

【要旨】

L2学習の根底には, 認知的なメカニズム, すなわち, 情報を記銘, 貯蔵し, 検索するという記憶のプロセスが関わっている。なかでも, 言語処理や言語学習が行われる認知的作業場として作動記憶の役割が重要となる。しかし, 記憶は私達の日常の経験からわかるように, 個人差が大きいのも事実である。記憶は普遍のメカニズムであると同時に, 個人差をも内包している。作動記憶のサブコンポーネントの働きは, L2学習に必要な基本的認知能力, つまり言語適性にもつながっている。また, 大人のL2学習では, 言語適性に加え, 動機づけが成否の鍵になる。さらに, 個人差を認知的要因(知性, 言語適性など)と情意的要因(動機づけ, 言語不安など)とに区別することが多いが, 要因間の相互作用も明らかにされつつある。このような相互作用を一つ一つ明らかにすることが第二言語習得の全容解明につながっていくと思われる。